単発アルバイト人気ランキング

出典:パーソル総合研究所「スキマバイト/スポットワークに関する定量調査」(rc.persol-group.co.jp)
調査時期:2024年10月/対象:全国15〜69歳85,455人

1位 軽作業系(16.4%)

  • 倉庫内作業、仕分け、梱包、検品、棚卸しなど
  • 「誰でもできる」「マニュアル化されやすい」ことから参入しやすい職種。

2位 接客・サービス系(14.9%)

  • 飲食店ホール、販売補助、イベントスタッフなど
  • 学生や副業層にも人気。短時間で募集されやすい。

3位 配送・物流・運輸系(9.4%)

  • 宅配補助、荷物の積み下ろし、配送センターでの仕分けなど
  • 繁忙期(年末やセール時期)に単発需要が増加。

4位 飲食・調理補助系(9.1%)

  • 厨房補助、皿洗い、盛り付け、清掃など
  • 即日募集が多く、飲食チェーン・ホテルなどでニーズが高い。

5位 事務・オフィスワーク系(7.7%)

  • データ入力、書類整理、事務所の簡易作業など
  • PCスキルが必要だが、室内で働ける点で根強い人気。

6位 教育・学習支援系(6.0%)

  • 塾講師、試験監督、家庭教師アシスタントなど
  • スキルや資格を活かせる職種で、学生・副業層から人気。

7位 イベント関連系(4.9%)

  • コンサート・展示会・スポーツ大会の運営補助
  • 季節や時期で需要変動が大きいが、短時間・高時給案件が多い。

8位 介護・福祉系(3.8%)

  • デイサービス補助、送迎、施設内清掃など
  • 慣れや資格が必要な場合もあるが、慢性的な人手不足で募集多め。

9位 清掃・メンテナンス系(3.5%

  • ビル・ホテル・マンションの清掃、ベッドメイクなど
  • 一人作業も多く、ASD当事者などにも適性があると指摘される領域。

10位 農業・漁業・その他(2.5%)

  • 農作物収穫、植え付け、漁業補助、短期作業など
  • 地域や季節に依存するが、体験型・観光農業バイトとしても注目。

 コメント

  • 軽作業・接客サービスが2強:合計で30%以上を占め、単発バイトの中心。
  • 物流・飲食も安定需要:EC普及・外食業界の人手不足で単発求人が多い。
  • 教育・イベントは季節変動型:試験期や大型イベント時にスポット需要が急増。
  • 清掃・介護・農業は専門性や地域性あり:特にASDや高齢層にとっては適性の見極めが重要。

AIによる単発バイト職種別 星評価

職種カテゴリマルチ タスクフレキ シブル感覚過敏コミュニケーション体力・精神力コメント
1位 軽作業系(仕分け・梱包など)★★☆☆☆★★☆☆☆★★★☆☆★☆☆☆☆★★☆☆☆繰り返し作業中心で適性高い。
2位 接客・サービス系(販売・飲食ホールなど)★★★★★★★★★★★★★★☆★★★★★★★★☆☆ASDには負荷大。
3位 配送・物流系(荷下ろし・仕分けなど)★★★☆☆★★★☆☆★★★☆☆★★☆☆☆★★★★★単純作業中心、体力消耗に注意。
4位 飲食・調理補助(厨房・皿洗いなど)★★★★☆★★★☆☆★★★☆☆★★★☆☆★★★★☆バックヤード選任以外は注意。
5位 事務・オフィス系(データ入力など)★★☆☆☆★★☆☆☆★★☆☆☆★★☆☆☆★★☆☆☆決められた作業のみ適性あり。
6位 教育・学習支援系(試験監督・講師など)★★★☆☆★★★☆☆★★☆☆☆★★★★☆★★★☆☆マルチタスク、フレキシブルを求められると不向き
7位 イベント関連(設営・運営など)★★★★★★★★★★★★★★☆★★★★★★★★★☆フレキシブルが求められるので単発としては不向き。
8位 介護・福祉系(補助・送迎など)★★★★☆★★★★☆★★★☆☆★★★★★★★★★☆フレキシブル過大なため不向き。
 9位 清掃・メンテナンス系(ホテル・ビル清掃など)★★☆☆☆★★☆☆☆★★☆☆☆★☆☆☆☆★★☆☆☆マニュアル化された作業であれば適性あり。
10位 農業・漁業・その他(収穫・植え付けなど)★★☆☆☆★★★☆☆★★★☆☆★☆☆☆☆★★★★★作業としては適性があるが、状況判断を求められるレベルになると不向き。

ASDと単発バイトの関連性

まとめ

1. 単発バイトは「環境選び」で働きやすさが左右される

  • 軽作業・清掃のように「マニュアル化」「一人で黙々」の仕事は、ASD特性と親和性が高い。
  • 一方、接客・イベント・介護 のように「臨機応変さ・対人スキル」を強く求められる仕事は、ASDにとって高負荷となる。
    単発という特性 は、ASDが自分に合う/合わない環境を短期間で試せる機会になり得る。

2. ASDの強みが発揮されやすい領域がある

  • ASDの特性である「集中力」「正確性」は、軽作業・清掃・農作業(一定条件下) で力を発揮しやすい。
  • データ入力や検品のような一定の知的水準を伴う定型作業ではむしろ高いパフォーマンスを発揮するケースも多い。
    → 単発バイト市場には、ASDが得意を活かせる仕事が一定数存在する。

3. 負荷が偏る領域では早期離職につながりやすい

  • マルチタスク・臨機応変対応・コミュニケーション の負荷が高い仕事は、ASDにとって消耗や失敗体験になりやすい。
  • 単発バイトの現場は教育・サポート体制が簡素なことも多く、合わない職種では挫折感を味わうリスク がある。
    → ASDが安心して働くには、仕事の特性を事前に可視化することが有用である。

4. 単発バイトは「適性探索の実験場」として有効

  • ASD本人や家族・支援者にとって、単発バイトは「多様な職場を試せる」場。
  • 長期雇用前に「どんな環境なら働きやすいか」を経験的に把握できる。

5. 支援の方向性

  • 本人視点:自分の特性に合う仕事(単純作業・ルーティン型)を選ぶ。
  • 家族・支援者視点:単発での試行錯誤をキャリア探索の一部と捉え、過剰な失敗体験に陥らないよう環境調整を行う。
  • 企業・社会視点:単発市場に「働きやすさ指標」を導入すれば、ASDを含む多様な人材が安心して働ける。

まとめ

ASDと単発バイトの関係は、

  • 「合う仕事では強みが活きる」
  • 「合わない仕事では挫折しやすい」
    という二面性を持っている。

それ故に、単発バイトはASD当事者にとっての職業適性の実践編として価値があり、その経験を可視化・共有することが、本人のキャリア形成だけでなく、支援モデルの形成につながると考える。

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