初めての単発バイトで気づいた「働くってきつくてエモい」【アパレルピッキング】

伴走パパブログ

「働くって、何だろう」
「障害のある人にとって、どんな職場が“やさしい”んだろう」
そのヒントを探すために、自分の足で職場に立ち、肌で感じたことを、包み隠さず書き留めます。

はじめての単発バイト
あの朝、なんとなく、でも確かに「知らない世界に行くんだ」と思っていた。

JR西船橋駅を降りて、幹線道路を歩くと、バイト先への送迎バスを待つ知らない人たちが静かに立っていた。古びたバスに乗り込むと、そこには男4人、女4人。会話はなく、でも、空気はどこかやわらかかった。
1人は、一見してダウン症だと分かる。彼女は他の女性たちに軽く声をかけられていた。どうやら常連らしい。

もう1人、無言で座る青年──その目の動きと所作に、どこか自分の息子を重ねてしまった。きっと、彼もまた「居場所」を見つけてここに来ているのだろう。そんな気がした。

倉庫の中は、まるで無音の迷路みたいだった
私の仕事は、伝票に書かれた服をカゴに入れて歩く。それだけ。でも、それが想像以上にキツい。
10時から始まった作業、たった2時間で足がパンパンになった。動かすのは体だけのはずなのに、なぜか心まで疲れていた。

昼休み、さっきの彼女が、花柄の袋からお弁当を取り出していた。
キャラ弁のように彩られたおかずを、鼻歌を口ずさみながら一口ずつ食べていく姿が、とても可愛らしかった。
「この人は、今日を楽しみに来ているんだ」と思ったとき、胸が少しだけあたたかくなった。

午後の時間は、長かった
12時45分から18時まで、歩いて、探して、入れて、また歩く。
歩数計が1万5000歩を超えたころには、体だけじゃなく「無理しないように」と言っていた心の声もかすれていた。

作業中、癇癪を起こす女性スタッフに当たってしまい、内心ガッカリした。でもそのかわりに、穏やかそうな男性スタッフがそっと助けてくれた。
誰にも話しかけられない時間の中で、その「ちょっとした優しさ」が妙に沁みた。

この仕事は、「楽」ではない
むしろしんどい。心も体も、静かに削られていく感じ。でも、不思議と「また来てもいいかな」と思わせる何かがあった。
きっとそれは同じ空間で黙々と働く、あの青年や彼女の姿。誰かの「今日を乗り切るための場所」としての、あの倉庫の空気。そして何より、「自分も誰かのように、今をこなしているんだ」という、ささやかな自信。はじめての単発バイトは、ちいさな冒険のようで、ちいさな再確認の時間でもありました。        

作業に求められる能力

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