スキマバイトだから「今日の自分」で選べる──ASDにとってそれは“働きやすさ”の第一歩なのかもしれない

伴走パパブログ

ASDの息子が経験した単発バイトを、
タイミーなどを使って追体験するのも、これで5回目。
宅配センターでのバイトは3度目。

ゆりかもめを降りて、沿岸を20分ほど歩いた先。
なぜか3月なのに暑くて、汗ばむような陽気だった。
道もわかりづらくて、ちょっと不安になりながら到着したC宅配センター。

「送迎は帰りだけ」と書いてあったから徒歩で向かったけれど、現場にいた2人の若者は、なんと行きも送迎バスで来ていた。
……えっ、私だけ? ちょっと切ない。

この日のバイトは3人だけ。私と、若い男性2人。
時給は1,500円(高い!)。時間はたった2時間。
──この条件の意味は、作業が始まってすぐにわかった。

今回の作業は「引き込み」。
荷物を積んだトラックが次々とやってきて、
その荷台から荷物を引っ張り出し、地域ごとのカゴ台車に積み込んでいく。

荷物は実にさまざま。
ゴルフバッグ、剣道の防具、ジュースのケース……
重いものも多く、しゃがんだり、腕で引き込んだりと、体をガンガン使う。

「休憩は各自で取ってくださいね」って言われたけど、正直なところ、休める雰囲気じゃなかった。
それでも耐えきれず、“トイレ”を理由に少しだけ一息。
(こういうの、必要だなって思う)

でも、思っていたほどつらくはなかった。
むしろ、どこか心がほぐれるような時間だった。
理由はきっと、一緒に働いていた2人の若者。
彼らは明るく、自然に笑顔を交わしてくれて、
作業の中にちょっとした“仲間感”が生まれていた。

そのうちの一人が、ぽつりと話してくれた。
「きつめのセンターと、緩めのセンターを、体調や気分で使い分けてるんですよ」

ああ、そうか。
バイトって、こんなふうに“自分に合った働き方”を選べるんだ。それって、ASDの人にとっても大事な視点なんじゃないかと思った。

ちなみに、私の実家は材木屋。
体を使って働くことが、ある意味“普通”だったから、
この現場にも、どこか懐かしさを感じていたのかもしれない。

短時間だけど密度は濃い、汗と筋肉の2時間。
でも、気持ちは不思議と軽かった。

帰りの送迎バスから見えた、きらきらした駅前の光。
その風景と、ちょっと心地よい疲れが混ざって、
今日という日が、じんわりと、いい日に思えた。

今回の作業に求められる能力
評価項目       評価    コメント

マルチタスク対応  ★★☆☆☆ 荷物の種類やエリアを判断する必要はあるが、基本は単純作業
フレキシブル対応力 ★★☆☆☆ 毎回違う荷物(ゴルフバッグ・剣道具など)に即応する柔軟性が少し必要
感覚過敏への配慮  ★★☆☆☆ 音や埃は多少あり
コミュニケーション ★★☆☆☆ 会話は少なめ、でも無言の連携や空気の読解力はある程度必要
体力・精神力    ★★★★☆ 短時間でも高密度。荷下ろし・積み替えは筋肉に来るが、笑顔が救いに

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