江東区の静かな住宅街。指定された住所に着いたものの、「ここ……本当に工場?」と戸惑いました。外観は完全に、ふつうの木造2階建て。看板もなく、まるで誰かの家みたいで──正直、少し迷いました。
でも、中に入ると世界はガラッと変わる。そこは、ユニホーム専門のクリーニング工場。パートさんたちが手際よく作業をこなしていて、洗濯を終えた制服が次々と綺麗に仕分けられていきます。
私が担当したのは、
・ 洗い終わったユニホームを10枚ずつビニール紐で結束してコンテナに入 れる。
・ ハンガーにかけて、順番通りに台車に吊るすという2つの作業。
一見シンプルだけど、流れに乗って作業していくうちに「もうちょっと早くできるよね?」という空気をじわじわ感じて──。誰かに言われたわけじゃないのに、不思議と察してしまうんです。それでも、強いプレッシャーがあるわけじゃなくて、「がんばりすぎないでいいよ」って空気も、ちゃんとある。
工場には、30〜40代のパートさんが5〜6人。
誰かが誰かに無理をさせたり、キツい言葉を投げかけるような場面は一切なくて、むしろ料理の話とか、お子さんの話とか、世間話でふわっと空気がやわらぐ。この感じ、ASDの人にとってはとても大事かもしれません。ピリピリした空気じゃないから、心がすり減りにくい。
それでも──
高機能自閉症の人がここで週5働くのは、たぶんしんどいと思います。単調さが心に響いてしまったり、自分のリズムが狂うこともある。だからこそ、「週2回、2~3時間だけ」「気分が安定している日にだけ」という選び方ができたら、ものすごく相性のいい仕事になるかもしれない。そんな予感がしました。
ちなみに、今回は機械操作はありませんでしたが、次は機械操作もやってみたい。それによって自分の“働く感覚”がどう変わるのか、ちょっと楽しみでもあります。
今回の作業に求められる能力
評価項目 星の数 コメント
マルチタスク ★★☆☆☆ 数工程を行き来するが、手順は明確で混乱しにくい
フレキシブル ★★☆☆☆ 基本は単純作業だが、多少のローテーションあり
感覚過敏 ★★★☆☆ 音・埃多少あり。服装も自由で静かめな環境
コミュ力 ★★☆☆☆ 和やかで質問しやすい雰囲気。ただし空気を読む力”が少し必要
体力・精神力 ★★★☆☆ 身体的には楽だが、単調な作業が続くためメンタルは要注意
